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あまくさ

Author:あまくさ


 平将門の生涯を追うと、平安時代中葉~後半期の関東地方が、深刻なアナーキズムにつつまれていたことがわかります。東北の蝦夷との強いられた戦争。都の権門や国司たちによる過酷な搾取。
 関東の武士や民衆は、みずから汗を流して開拓した農地を守るため、立ち上がりました。それが、将門をリーダーとする大反乱です。
 将門は「新皇」と名乗り、「関東独立王国」を建設しようとしましたが、この歴史上初めての壮大な実験は、あえなくついえました。彼らの政権構想が、あまりに未熟だったからです。
 将門と坂東武者たちの見果てぬ夢。それが実現したのは、2世紀あまりのちのこと。源頼朝の登場まで待たなければなりませんでした。
 鎌倉幕府成立の本質は、武士による革命であり、働く者を社会の中心にすえる「世直し」とも言えるものでした。


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 西洋文明を追い求めた ”明治”。
 グローバルスタンダードという名のアメリカローカルに幻惑されつづける、現代の日本。

 でも、この国が圧倒的に大きな ”海外” のかげにおびえ、そして憧れたのは、近代以降のことだけではありません。
 原始・古代の日本。その西方には、中国という巨大文明がそそりたっていました。
 まだ多くの人々が竪穴住居でくらしていた時代に、中国・朝鮮から断続的に流入する高度な技術と文化の影響を受けたことが、この国の歴史をきわめて複雑なものにしました。
 
 黎明のなかに立つスーパーレディ、”幻の女王 ”卑弥呼は、中華文明に果敢に挑戦した最初のこの国の指導者でした。
 そのとき以来、この国は ”鎖国” と ”開国” の大きな振り子運動をくりかえしました。
 
 律令制期の ”日本” は、中国を模倣した ”ミニ中華帝国” でした。国情にあわない中国の政治制度を導入し、服装まで中国化しました。その様子は、明治時代の極端な西洋化にとてもよく似ています。
 
 ところが、これだけ熱心に中国化を望んだ日本ですが、それは奈良時代までのことでした。内向きに転じた平安時代の社会は、合理的な中国とは似ても似つかぬまことに奇妙な呪術的社会でした。
 
 鎖国と開国の振り子運動は、平安末期の平家政権による交易国家志向により、一時開国をめざすかに見えました。しかし、それは大きなうねりとはならず、この国は独自路線の模索にしだいに傾斜しました。
 
 そして、大きな歴史的事件がおこります。
 
 ”武士” という土地を開拓し運営する ”実務者” たちの勢力が、不労所得者・貴族をしりぞけて、社会の指導的地位を獲得したのです。
 それは、一種の ”ブルジョア革命” だったのではないかと、わたしは思っています。
 13世紀の日本は、そこまで到達したのです。
 
 世界史に類のない ”武家社会” は、試行錯誤をくりかえしながら近世 ”江戸期” に完成を見ます。江戸時代の社会は、多くの矛盾や問題点もかかえながら、一面ではきわめてバランスのとれた平和社会・エコ社会だったことが、近年では認められるようになってきました。
 
 21世紀を迎えた現在、グローバルスタンダードを詐称するアメリカローカルも、ほころびを見せ始めているようです。
 行きづまりを乗りこえるヒントは、日本の歴史の中にこそ隠されているのではないでしょうか?
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